医大ライフ 医大ライフ

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部活も医師としての体力づくりの一環 大学生活の中の些細なことが将来の糧に

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奈良県立医科大学 5年生 W.Sさん
奈良県立医科大学 4年生 T.Rさん

今回の「医大ライフ」は、奈良県立医科大学に通うW.SさんとT.Rさんの対談企画をお届けします。現在5年生のW.Sさんと4年生のT.Rさんは、これまでの座学による授業内容から、実習などの授業への変換期を迎えています。実習期間中はハードな生活になると言われていますが、2人はどのように大学生活を楽しんでいるのでしょうか?彼らの部活に関する考え方や、将来の医師像も交えてご紹介します。

大学によっては生徒をきっちりと管理している大学と、どちらかと言えば放任主義の大学があると思うのですが、奈良県立医科大学はどちらですか?

T.Rさん(以下T):僕は管理が厳しい方だと思いますね。
W.Sさん(以下W):学年によって違うのかな。自分の代は全然厳しくないですね。先生たちも厳しくしようとはしているようですが、他の大学と比べると緩いですし、留年数も少ないと思います。
T:留年に関しては確かにそうですね。先生たちの慈悲が働くというか。
W:僕の代で毎年3人くらいで、本当に頑張らなかった人だけが落ちてしまう感じです。塾講師とか、学校以外の場所に楽しさを見出して自主退学をした人も中にはいますね。
T:医学部はキャラが濃いですよね。色んな人がいます。

テストはどれくらいの頻度であるんですか?

T:まちまちじゃないですか?
W:低学年の時は3ヶ月に1回くらいの頻度でしたが、5年生になるとほぼないですね。実習が始まるので、5年生は概念的に留年が発生しない状態です。強いて言えば、僕の1年、2年上の世代から卒業試験のプレ模試というものが12月に行われるようになり、それに向けて勉強する人が出始めました。実習しながらその試験の勉強もしなければいけないので、その時期はちょっと大変ですね。
T:どんな問題が出るんですか?
W:国家試験の過去問から一般問題、患者さんの情報がない問題をピックアップして出題される感じかな。
T:そうなんですね。僕たちはCBTという大きなテストが実習の前にあるんですが、その前後が結構ハードなんです。夏の西医体が終わった後、8月20日くらいまでは忙しくて動けず、9月初めに学校のテスト、CBT、実習へと続きます。大変ながらなんとか受かりましたが…結果は79%くらいでした。
W:いや、それだけ取れてたら十分(笑)。

やっぱり通常の授業やテストに実習が加わると大変なんですね。

W:座学とは全然違うので楽しいですね。
T:学んだことを実際に体験できるので、僕も実習は楽しみです。
W:それぞれ内容が濃いので色々と印象に残っていることが多いですが、直近だと小児科を回った時のことですね。重病患者が多く、子供たちが重い病気で亡くなっていくのを目の当たりにするのは精神的に厳しかったです。
T:大学病院でそうやって心が折れて、地方の病院に行ってまた楽しさに芽生える人もいるみたいですね。
W:大学病院と地方の病院では確かに違いがあると思う。基本的に、市中病院は泣きながら入院した子が笑って退院できる場所ですが、大学病院はみんながそうとはいかないので…。
T:難しいところですね。
W:ただ、実習が始まった瞬間からちょっと世界が変わりますね。いきなり手術室に入って、今まで見たことのない現場の姿を見られるので、医師になった気持ちになれるというか。4年生と5年生の境目は、この辺りではっきりすると思います。
T:病院内を白衣で歩くと全然気分が違いますよね。僕ももう少しで実習がスタートするので楽しみです。

実習中は移動時間が長いと大変ですよね。2人とも大学の近くに住んでいるんですか?

W:僕は1人暮らしです。育ちは奈良ですが、実習は朝早くからスタートするので実家から通うのは辛くて。
T:僕は堺市に住んでいるので、通学は1時間半くらいですね。実習が始まったら下宿すると思います。


W:1週間毎日というわけではないけど、朝7時半、8時半集合とかしょっちゅうあるからね。
T:今の僕の家からだと、始発に乗るレベルですね…。

大学の周りの環境はどうですか?

W:とにかく田舎なので大学の周りは何もないですけど、駅の周辺は結構栄えてますね。奈良なので歴史の文化遺産は周辺に多いです。
T:橿原神宮は皇室に所縁があるので、たまに交通規制がされてますね。少し前は映画の撮影もあったみたいで、芸能人が来た!って大騒ぎになってました(笑)。
W:食べに行く場所だと、駅前には居酒屋が集まっているのでその辺りに行きます。


T:僕も飲み会はそのエリアの白木屋か鳥貴族ですね。お昼なら、ロコロコっていう定食屋が近くにあるのでそこに行くか、大学の食堂で食べてます。大学近くで遊ぶ場所を探すのは難しいので、飲み会かカラオケがメインですね。

では普段遊ぶとなると、大学周辺のみですか?

W:遊ぶ時は難波だったり、奈良県内でも車でどこかに行ったりですね。
T:下宿で車があるとめちゃくちゃ便利ですよね。無敵です。

サークルや部活には入っていますか?

W:僕はバスケットボール部に入っています。僕は小学校6年生の頃からバスケットボールをやっていたので経験者ですが、最近の1年生は未経験者も多いですね。学校全体のレベルとしては中堅で、代によって強さが変わります。最初は23人くらいたんですが、今は僕も怪我で休部中ですし、プレイヤーは7人ほどでかなり少ないです。

Wさんの部活での一枚
Wさんの部活での一枚

T:僕はテニス部ですが、初心者は3〜4年に1人入部するかどうかですね。確かバスケ部って厳しいことで有名ですよね。
W:僕が入った時は確かに厳しかったけど、緩くはなってきたかも。でも、普通の体育大学並の体育会系ノリはあると思います。上下関係がしっかりしてるというか。
T:硬式テニスは結構厳しいですね。その影響もあってか、ここ4年間の成績はいいです。練習は週3回ですが、みんな自主練もしっかりとやっていますね。僕が1年生の時はそれが暗黙の了解になっていました(笑)。なので、自主練を入れると週4〜5回は練習に時間を費やすことになります。

Wさんの部活での一枚
Wさんの部活での一枚

W:僕の方は練習が週4回なので、普通の部活にしては多い方ですね。学業と両立が大変というイメージを持たれてしまって、入ってくる新入生が少ないのかも。実際は全然大変じゃないんですけどね。新入生歓迎会とかでその辺りもアピールするべきかな。
T:新歓は1年生におもてなしする場ですよね。手ぶらで来てくださって大丈夫です!全部貸しますし片付けもやりますんで!みたいな(笑)。
W:入った後のことは知りませんけど、みたいなね(笑)。
T:まぁきついところもありますけど、僕はテニス部に入って良かったなと思います。めちゃくちゃ楽しいです。

では部活と学業を両立できているんですね。

W:実習とか研究も実際は体力勝負みたいなところがあるので、その時にタフに動き回れるという意味では、部活に入っておくのも一つの手ですね。人との繋がりもできますし。
T:それが1番大きいですよね。
W:これからの時代は医師も余ってくると言われているので、何か一芸を自分で持っていた方がいいみたいですね。
T:それって博士号とかですか?
W:消化器内科の先生なら内視鏡が上手だとか、脳外科なら1番難しい血管を繋げるとか、他の人にできないことを一つ手に入れるみたいな。
T:なかなか難しいですよね。
W:スポーツなら分かりやすいんじゃない? 硬式テニスならサーブは絶対人に負けない、とか。そういう部分も将来に繋がると思う。
T:自分の得意分野を磨くってことですね。

なるほど。部活以外で楽しんでいることなどはありますか?

W:白樫生(かしふ)祭っていう学祭があるんですけど、5年生が委員会をやっていて、僕はステージ担当なのでその準備で結構忙しいですね。一応、ミスコン・ミスターコンもあったりして。
T:誰が優勝になるかは拍手の量で勝負という古典的な部分もあるんですが、みんな楽しみにしてますね。あと今年は声優の小倉唯さんのトークショーもあるので、僕は特にそこが楽しみです(笑)。
W:学校の外という意味では、OBや卒業生の方や他の大学の人たちとの飲み会や大学同士の合コンもありますね。
T:医学部ってモテそうとかよく言われますけど、実際そうでもないですよね?
W:医学部だからモテるってことはないね。他の学部とそんなに変わらないと思う。
T:実際に医師になったら話は別かもですけどね。
W:研修医の時から既に結構そういうのあるらしいよ。
T:僕もその話は友達から聞きました(笑)。

Tさんの旅行中の一枚
Tさんの旅行中の一枚

では最後に、これからの進路について教えてください。

W:全般的に診られる医師になりたいので、専門はジェネラリストを目指しています。医師の世界で言うジェネラリストは救急科や総合診療科を指すと思うのですが、どこに行っても必要とされる医師の姿を考えた時に浮かんだのがこの2つの科でした。必要とされるだけでなく、食いっぱぐれることもないかなぁと。先の話で言うと、ちょっと歳を取った時に、船医としての道も考えています。小さい頃から海も船に乗ることも好きで、今でも1人でフェリーに乗ったりすることがあるんですよ。船は客船と貨物船のどちらでも構わないですが、そういった医師になるなら救急科での勉強が必要になってくると思います。実績がなければ船医にはなれないので、自分が歳を取った時の目標にしたいです。
T:僕は勉強していく中で、総合診療科がいいなと最近になって思い始めました。例えば、医師を50年間やっていると「この患者にはこれ」というように流れ作業になりそうな気がするのですが、そうではなく、僕は1人の患者をしっかりと診たいと考えています。これからまた考えも変わっていくかとは思いますが、今の段階では在宅医療も魅力的ですね。100人の患者を1分で診るなら、1人の患者を100分診たいというのが僕の考えですし、その方が感謝される重みや患者さんとの関わりも違ってくるだろうと思います。実際、在宅医療については以前授業で話を聞くことができたのですが、その限りではとてもやりがいがあるように感じました。一生続ける仕事なので、長続きする、楽しめる道を選びたいです。


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